2018/06/14 木曜 森田童子が亡くなる
 先日,歌手の森田童子が亡くなったというニュースを目にした.それ以来落ち込んでいる.
 亡くなったのは残念であるが,だから落ち込んだという訳ではない.ニュースを目にしてYouTubeを眺めたら,案の定,森田童子の歌がまとまって出ていた.YouTubeで森田童子の歌を再生していたら,暗い歌だから,それで落ち込んでしまった.
 私は若干PLを持っているのであるが,ディスクプレイヤーがないのでずっと聴けないでいた.私はAppleMusicに加入しているけれど,山口百恵同様,Appleでは森田童子は出てこない.
 森田童子の歌は,まるで自分の体験のような気にさせる歌であり,その架空の体験をし続けて落ち込んだのだと思う.
 私が学生の頃,70年代であるが,歌手で根暗の御三家といえば,中島みゆき,山崎ハコ,森田童子だった.何れの歌も暗かったが,暗さの質が御三家で異なる.私には一番しっくりくる暗さが森田童子だった.6畳一間(4畳半よりは豊かだった)のアパートで夜中に酒を飲みながらヘッドフォンで森田童子のLPをかけると,たまりませんなぁ,という気持ちになったものである.
 今さらに思うが,森田童子は女性であることになっているのに,歌の第一人称は「ぼく」である.しかもこの人の歌には女性が出てこない(と思う).チャラチャラした女が出てこないのが良いところだったように思う.
 どれも同じような歌といえるが,「君と涙が乾くまで肩抱き合って寝た」といった歌詞がある.これって,今ならBLですか,そういうことではない(と思う).この歌詞,似たような情景が『伊豆の踊子』にあるのを思い出した.踊子一行と別れて下田から船に乗った後のことであり,小説の最後の,私にはこの小説で一番印象的な場面である.主人公の一高生は孤独なのである.『伊豆の踊子』はなまじ青春映画になっているから,恋愛の話のように思われがちであるけれど,そういう訳ではないだろう.一高生は踊子一行を良い人たちと心底思い,それで分かれてしまった喪失感で泣くのである.森田童子の歌もそういう孤独感の歌であり,孤独は孤独なのであるが,他の根暗歌手のどん底感とは質が違うような気がする.
 安らかに休息されんことをお祈りしたい.

by larghetto7 | 2018-06-14 23:02 | 日記風 | Comments(0)
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