2018/05/28 月曜 DVDで『ブラザー・サン シスター・ムーン』を観る
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 ちょっと前に県立図書館にいったとき,DVDをいくつか借りてきた.その中で一番簡単に見られそうなのが『ブラザー・サン シスター・ムーン』というDVDだった.観てみた.結論を先に書けば「まあ,普通の出来だね」と思う.

 この映画は1972年作というから,私が大学に入学した直後の映画である.ドノヴァンの歌がよくFMで流れたように思うが,私は映画は観なかった.
 この映画の舞台は,シェークスピアのDVDであれば『ジョン王』の頃,つまり13世紀の初頭である.日本なら鎌倉時代初期.場所はイタリアのアッシジ.フランチェスコ修道会を開いた聖フランチェスコの前半生を描いた.
 この映画に私が多少とも興味を覚えたのは,以前に観た Kingdom of Heaven という映画の直後くらいの話だからである.つまり,十字軍でキリスト教側が奪ったエルサレムをサラディンに奪い返され,その後でリチャード獅子心王が出てきて争いになった頃である.その頃に修道会の祖になるような人が出たんだな,という歴史観に感慨があった.

 主人公のフランチェスコらが乞食のような托鉢修道者の集団を作って行く.制作年が1972年だから,私の眼には,昔懐かしのカウンター・カルチャーのコミューンのノリだな,と思えた.要するにプロテスタント倫理の頑張るぞー,ではなく,シンプルな生き方をする,という考えで生きてゆくのである.まあこの頃,そういうのが流行ったんですよね.
 実は私も,コミューンを体験しようと思って,福島県の山奥のコミューンで2週間くらい生活したことがあるんですよ.70年代の半ばくらいでしょうか.まあ,価値観は似たようなものですね.コミューンだと,多かれ少なかれ宗教的な色彩もあります(仏教でしたが).しかし,外側の社会のシステムの影響はコミューンも無縁とは行かず,表向きと実際とはどうしても,違っちゃいますね.

 それと,若干評論家的なことを言うと,フランチェスコらの運動は,Iannacconeという経済学者が,以前社会学誌に載せた論文のモデルで説明できそうに思うのですね.Iannacconeのモデルでは,社会が世俗化して行くと,宗教に関心が高い人たちは極端な宗教的立場を取りやすくなるんですよ.この点を経済学風に説明した論文に,感心した覚えがあります.まあ当時のイタリアは,世俗的な富の機会が増え,また教会も蓄財していった時代でしょう(映画ではそのように描かれる).社会全体が宗教色が濃厚なら,みんなそろってほどほどの宗教生活を送るのですが,社会の世俗化が進んでしまうと,宗教的関心の高い純粋な人たちにとり,世俗化に背を向けた生き方が最適になりやすいんですね.この映画が描く時代というのは,ちょうどそういう社会なんじゃないの,という気がします.

by larghetto7 | 2018-05-28 16:21 | 日記風 | Comments(0)
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