2018/05/13 日曜 DVDで『怪人マブゼ博士』を観る
 例によって県立図書館にいったとき,他に借りたいDVDがなくてこの作品を借りてきた.実は返却期限内には観なかったが,再度借りてやっと観た.
 1932年制作のドイツ映画である.時期的に映画の『三文オペラ』(たぶん最初の映画化)が作られた頃である.
 原題を直訳すると『マブゼ博士の遺書』である.犯罪者のマブゼ博士の映画がこの作品の前に2つあり,この映画はその後の話,ということだそうだ.年老いたマブゼ博士が発狂して精神病院に入っている.しかし何やらモノを書き始め,それが次第に訳の分かった犯罪計画になって行く.精神病院の院長であるバウム教授がこのマブゼ博士を研究していたが,次第に取りつかれ,犯罪組織を作ってその犯罪計画を実行に移してゆく.マブゼ博士は病院内で死亡するが,バウム教授の犯罪は止まらない.その犯罪をローマン警部が追う.最後はローマン警部に追い詰められたバウム教授がマブゼと同化し,発狂してしまう,という話である.
 この映画,DVDのケースには「ナチ時代ドイツの黙示録」と書いてあり,確かにナチが政権を取ると上映禁止になる.中身も,バウム教授が作る犯罪組織がナチと似ているといえば似ているかも知れない.しかし秘密の犯罪組織であるから,組織はこんなもののように思う.上映禁止になったのは,単に,監督のフリッツ・ラングにユダヤ系の血が入っているからではないか,と勝手に想像してしまう.
 ある意味歴史的な映画であるから,観て勉強になった,というべきだろう.
 映像は美しい.冒頭の偽札印刷工場の場面からして,映像の凝り方に驚く.建物の様子も洒落ている.当時のドイツの文化水準の高さを示すのだろう.
 登場人物の顔面表情がよくできている.というか,昔の心理学の顔面表情のサンプルを見るようである.無声映画時代の伝統なのだろう.
 登場人物はステレオタイプというか,役割スキーマ通りの姿で描かれている.博士,教授,警部,狂人,犯罪者,可愛い女性の恋人,などである.何となく,人物の姿が半世紀以上前に読んでいた漫画の「鉄腕アトム」に出てきそうな描き方だな,と感じた.
 アメリカ映画ほど暴力的ではない.登場する拳銃も口径が小さく自動式である.アメリカならデカくて回転式だろう.ちなみに,マルコムXは,映画でも実際も,ショットガンで撃たれた上に2丁の拳銃で連射されている.
 基本的に気持ち悪い面があり,この映画に出て来るマブゼ博士も,ノスフェラトゥの並びかな,と感じる.
 マブゼ(Mabuse)の読みは,真ん中にアクセントがあるので,マブーゼと聞こえる.DVDに英語版の解説があり,そこではマブーサという発音に近いと感じた

by larghetto7 | 2018-05-13 11:23 | 日記風 | Comments(0)
名前
URL
削除用パスワード