2018/02/17 土曜 ピーちゃん死す
2018/02/17 土曜 ピーちゃん死す_d0028773_19315803.jpg
        (ピーちゃん 小学校校庭 2013.04.28)

 2月12日(月)に猫のハハコが亡くなった.その3日後に,11年家にいたメスのポメラニアンのピーちゃんが亡くなった.実は安楽死である.
 動物病院の記録上は,ピーちゃんが生まれたのは2007年の1月1日である.その3月中頃から我が家に住み始めた.子犬のときから我が家にいたのであるが,なぜか大きさは変わらないような気がした.
 我が家に来てしばらくしてからピーちゃんに癲癇(てんかん)の症状が現れた.ずっと薬を飲みながら過ごしていたのである.癲癇の発作(痙攣)は時折起こる程度であった.たぶんピーちゃんを眺めている時間は,我が家でも私が一番長かったろう.癲癇の発作が起こったときは,私はピーちゃんを抱いて,ブラシで毛をなでながらシャンプータオルで身体の毛を拭いてあげるのが常だった.そうすることで発作が収まる訳ではないけれど,何かしてあげないといけないという気持ちがあったからである.年齢を重ねるほど発作は起きやすくなったように思う.
 1週間ほど前の2月11日(日)の午後のことである.ピーちゃんが発作の痙攣を起こした.その脇に私がいる.実はその1週間ほどの間,偶然だが,私はピーちゃんの傍で寝ていたのである.いつものようにピーちゃんを抱いて毛づくろいをしてあげた.じきに発作は収まったけれど,少ししてまた発作を起こした.その日,私が覚えている限りで6回の発作を起こしたのである.
 次の日もやはり続けて発作を起こした.ピーちゃんの係はカミさんなので,カミさんが動物病院に連れて行った.実はその日に,猫のハハコが亡くなった.
 病院に行ったピーちゃんはそのまま入院となった,とカミさんはいう.ただ私はハハコの死に気を取られ,その時点ではピーちゃんの病状が深刻だとは思わなかったのである.
 2月13日(火曜)に猫のハハコを動物の葬祭社で立会火葬にした.戻ってからカミさんの話を聞くと,ピーちゃんは痙攣が続いており,いつ死んでも不思議はないと病院でいわれていたという.その時に心配すべき状態であることを認識した.
 2月14日(水曜)の昼近く,ピーちゃんが入院した動物病院から電話があった.MRI検査をしてよいか,という問い合わせだった.MRIは明らかに高額である.人間の場合,それほどの費用にならないのは保険がきくからである.一瞬考えてしまったが,承諾した.
 その日の夜,カミさんが動物病院に行って帰ってきた.安楽死を勧められたという.MRIで脳を調べたところ,右の大脳に脳髄液が溜まって右脳が機能しなくなっていると分かった.左の脳も圧迫されている.死ぬのは時間の問題である.仮に生きられたとしても,人間でいえば意識不明の状態で胃ろうで生きる状態になる.この状況では多くの飼い主が安楽死を選ぶ,と院長に説明されたという.カミさんとしては家に持ち帰って私と相談することにしたのである.
 10年以上前,同じ病院の院長から,入院させていた猫の安楽死を勧められたことがある.すぐに安楽死させた方がよいという.そのとき,私は安楽死をためらった.一晩考えさせてくれと頼んだ.が,その判断は間違いだった.その猫は次の日の朝までに亡くなった.すぐに安楽死させた方が楽だったのである.その後悔は今も残っている.
 次の日の朝,動物病院に私が電話し,安楽死を選ぶと伝えた.次の3点をいわれた.第1に,昼に安楽死の処置をする.第2,面会は12時まで.第3,15時半に迎えに来て欲しい.
 すぐに動物病院に向かい,ピーちゃんと面会した.獣医師さんからはMRIの映像によって説明を受けた.
 15時半に,カミさんと一緒にピーちゃんの遺体を迎えに行った.ピーちゃんは生きているように見えた.通常,猫が死を迎えるときは病院通いを続け,程度の差こそあれ衰弱することは避けられない.しかしピーちゃんは実に安らかに見えた.
 次の日,ハハコを連れて行った同じ葬祭社でピーちゃんの立会火葬を行った.

 ピーちゃんが我が家にいたことについては,入院していた動物病院との因縁がある.ある猫を去勢手術に連れて行った折,院長が私とカミさんに,犬を飼わないかと誘ってきたのである.ポメラニアンのメスの子犬である.ペットショップにいたこの犬は生まれながらに心臓に畸形のあり,なぜか院長が引き取って手術をして良くなったという.院長はそれからこの犬の引き取り手を捜し,何人か申し出があったという.ただ,ちゃんと飼うかどうか不安があるので,猫の面倒をよく見る私のところに声をかけたという.
 私は引き取るのを断るつもりでいた.が,予想に反してカミさんが引き取るといい,連れ帰ることになった.
 その犬の名前はピーちゃんにした.ポメラニアンの頭文字をとってPちゃん,といういい方もできるが,家で引き取っていた病気猫にQちゃんというのがいたので,QがいるからPにしよう,というのが実際である.
 我が家に初めて犬が登場することになった.人によっては,ポメラニアンは犬ではないという.しかし私にとり,犬はピーちゃんだけなのである.なるほど,犬は猫とは違うな,と思う.猫は,何も考えていないにもかかわらず,何かを考えているような顔をして私の傍にいる.しかしピーちゃんは大きな瞳孔で人を見て,人を明るくさせようとする.
 ピーちゃんを散歩に連れてゆくと,同じような犬を連れた人をよく見かけた.動物病院に行けば待合室で大小の犬をよく見かけた.眺めながら,犬とは人間の友だちなんだな,と感じた.猫は家族ではあっても友だちにはならない.

 ピーちゃんが亡くなったあと,よく散歩に連れて行った道を,自転車で辿った.

by larghetto7 | 2018-02-17 19:38 | 日記風 | Comments(0)
名前
URL
削除用パスワード