卒論の提出前ファイルを見ながらつらつらと考える。見ている卒論の作業は経験的データの分析、いわゆる統計処理が多い。データの分析をすると卒論としてはまとまりやすい、というのが私のこれまでの経験であり、この経験を学生には伝え、薦めてきた。実際、データ分析以外の卒論はまとめにくい。というより、どうまとめてよいか、私自身 no idea である。私自身の問題設定をするなら書けると私自身は思うかも知れないけれど、学生さんが持って来るテーマを前にすると考えが浮かばない。
データ分析に付き合っていると、ある種の快感がある。そういっては何だが、単純作業に伴うような、日記を書くような、単調さ。この単調さからは極めて人間的な響きが伝って来る。人間らしい生活と両立する営みのような気がする。
しかし私がやりたいことはこういうことではないんだろうな、という気もする。もっと苦痛に満ちて、もっと古めかしく、もっと根本的な、しかしもっと軽薄な、無から有を生じさせようとするような。そういうサイクルを、センター試験でも終わったら始めたいような気がする。
朝、なるべく早く動物病院に行って、小黒を連れ帰りたい。小白たちと一緒にいさせてあげたい。
といって、目覚ましをかけていたので、目覚ましが鳴る以前に目を覚ました。またも3時間くらいしか寝ていないけれど、これで通常の生活時間に戻ったように思う。
今朝は曇りがちで時折日が当る。日中は比較的気温が上がるらしい。庭では氷が厚くはっており、水道は凍ったままで水が出ない。
その寒そうな庭に猫たちが日に当りに出てくる。
予定通り、9時ちょっと過ぎに猫の小黒を動物病院に引き取りに行く。台所でケージから小黒を出すと、食糧も目にくれずに外に出た。私が後を追うと、同じ外見をした黒子(クロコ)と一緒に向かいの家の方角に去っていった。実はあちらに居場所があるようで、ウチの近所にはそういう場所が多いようだ。しばらくすると戻って来ると思う。
連休も今日で終わりで、明日までにやらないといけない仕事が多い。休みだから働くというのは、どこか間違っている。休みに働いて結果を平日に持って行く、という姿である。
不平を言っても始まらないが、今年は研究時間が全くなかった。異様だった。ある意味では私自身が余計な仕事を生み出した面があるけれど、やはり諦めがつかない。来年の3月を過ぎれば、アドミッションセンター員の仕事以外は(それだけでも大変なのだが)放り出そうと思う。
さて、件の小黒であるが、しばらくの間は姿を見せなかった。午後になってやっと庭に姿を現した。向かいの家の敷地に行っていたかと思ったら、ウチの庭に置いた犬小屋(猫用の犬小屋)の中に隠れていたようだ。しかしなかなか、家には入ろうとしない。抱き上げて家の中に入れたが猫ドアを通って出て行った。
猫には接近のモジュールと回避のモジュールが独立に備わっているようである。手術をされたので回避のモジュールが働いているが、寄ってこようとする傾向も同時にある。時間が経てば以前のように近づいてくるだろう。しかし今は時期が悪い。暖かい時期ならば家の中に入らずとも過ごせるけれども、今の時期、回避のモジュールが強いと外で凍えてしまう。
夜になって小白が小黒を連れ帰った。小黒に触ると毛が冷たい。いろいろ食糧をやって家(猫部屋)の中に留まるように仕向ける。以前にように、家の中で寝ようとしているかに見えた。
仕事であるが、思うようにはかどりませんわ。はは。