今日のフィクション → また、リベラルアーツ大学?
昔、学生の頃、世はまだCDなどなく、LP盤の時代だった。FMの雑誌を買うと売り出されたLPの曲目の解説が載っていて、それを読んで知識、というか情報としていたような気がする。ただ、今から思うと、日本で販売ルートがあるレーベルの録音が多かった訳で、海外に行くと日本では聞いたことがないような演奏家を目にすることが多い。要するに、情報のルートが限られていたんだろう。
昨年の夏からApple Musicに加入して、Appleが版権を持っている範囲の音源につないでいつも聴いている、という生活になった。ここでも、今まで知らなかった曲目や演奏家を知ることになった。
Apple Music も、偏っているところはあるだろう。例えば、日本の歌謡曲であれば、松田聖子や中森明菜はやたらfeedされるのに、山口百恵や竹内まりや、石川さゆりといった歌手は聴けない。この点は絶対的な欠点である。
ピアニストのギレリスは時折出て来る。そこで検索して、以前よく聴いていたブラームスのピアノ協奏曲の2番を探した。出てきたのであるが、ピアノはギレリスであっても、オーケストラが異なる。私が何度も聴いていたのは、オイゲン・ヨッフム指揮の、確かベルリンフィンの演奏であった。これも版権の問題か、と思っていた。
が、つい先日、まさにその演奏がFor You にfeedされてきたのである。さっそく聴いてみた。非常に輝かしい演奏で、特に第2楽章のAllegro appassionatoの明快さは、以前にしびれた通りである。
でもまあ、家にCDがあるのであるから、それを聴けばいいんですけれどね。何というか、こういうクラウド生活になると、物理的にCDを取り出すのが面倒になってしまう訳ですね。