2015.05.31 日曜
今日のフィクション  →  黄昏


 Alison Balsom という美人のトランぺッターがいる。最近、この人の演奏する Paris というアルバムを iTunes で衝動買いした。その後、よく聴いている。
 Alison Balsom という演奏家はイギリス人で、フランスで教育を受けたらしい。私が買ったのは演奏家が美人だったという形而下的な理由であるが、聴いているとある種の陶酔感がある。管楽器には陶酔感があるよね、とカミさんにも話した。
 もともとトランペットというのは、バロック時代の大仰な演出に出番が多かったと思う。ハイドンなど、少数の例外を除いて、木管楽器のように主役となることは少ない。木管の方がコントロールされた音になるからだろう、と勝手に想像する。この人はトランペットを、木管楽器のように吹いて見せるのが売りなんだろう、という気がする。
 陶酔感がある管楽の音、というと、私が好きなのが、モーツァルトとブラームスのクラリネット五重奏曲である。以前、いくつかの録音を買ったのであるが、先日、思い出したようにこの両曲を収めたCDをかけてみた。どうしてもBalsomのトランペットの音と比較してしまう。比較の上で、トランペットという異質な楽器ではあるが、Balsomのトランペットはかなり精妙なコントロールを利かせているのではないか、という気がしてきた。
 iTunes でダウンロードしたBalsom のアルバムの中に、ラヴェルのピアノ協奏曲(両手の方)の第2楽章が入っている。この第2楽章はクラシックの中でも最も美しい曲であろうと思う。たぶんその中のピアノの片手のパートを、トランペットで吹いているだろう、と思う。原曲では、確か(間違いかも知れないが)、ピアノとフルートが掛け合いのようになるのであるが、そのピアノの主要な部分をトランペットでやる訳だから、曲の印象は、原曲とはかなり異なる。しかしちゃんと、別の美しい曲になっているのは、大したものなのだろう。
by larghetto7 | 2015-05-31 08:50 | 日記風