2012/12/31 月曜  年末のベートーヴェン
 年末に世間ではベト9をやるせいか、たぶん2週間ほど前、iTunes経由でベートーヴェンの第9交響曲を買おうと思った。
 昔のカセットを除き、家にあるベト9のCDは、バーンスタイン=ウィーンフィルの全集と、伝説のフルトベングラーの演奏(足音付き)だけであると思う。
 iTunesで買える曲は種類が限られている。ハイティンク指揮のロンドン響というのが1500円で買えるので買おうと思ったが、交響曲全集だと3000円だという。ちょっと考えて全集を買った。
 ベルナルド・ハイティンクという指揮者は永く、コンセルトヘボウを指揮していた名指揮者である。Philipsでよく売りに出ていた。昔、幻想交響曲を10曲くらい、FMのエアチェックで集めて聴き比べていたが(ヒマだったんですね)、一番良かったのがハイティンクの指揮だった。それ以来、良い印象を持っていた。
 オーケストラがロンドン響である。英国の4大オーケストラの1つであるから、文句はないのであるが、どう考えるかはよく分からない。確か、指揮者のチェリビダッケが初来日したときのオーケストラがロンドン響だったように思う。チェリビダッケがああいう音楽だから、重厚というよりは澄んだ音色を出す、という先入観がある。また、私が学生の頃、オイゲン・ヨーフムがロンドン響でベト全集を録音していて、第9の演奏もFMエアチェックしたように思う。ただしロンドンフィルの方だったかも知れない。ヨーフムの演奏と言うのも、重厚というよりは軽めの音だったような気がするけれど、そもそもベートーヴェンの曲をかつてのように大規模では演奏しなくなったのであるから、それで良いのだろう。
 購入してから、ハイティンク=ロンドン響の全集をすでに何度か、通して聴いた。演奏がどうのなどと、私が言えることではない。
 年末にベトベンというのは、分かりますね。普通、作曲家と言うのは、晩年になると諦観に満ちた音楽とか、鬼気迫る音楽とか、作るじゃないですか。ベートーヴェンと言うのは、ずっと病気だったし、金欠に苦しんだときもありますが、いつでもポジティヴでしょ。
 交響曲について言えば、ベトちゃんの創作力が落ちた時期の曲はない訳ですよね。8番を書いたのが、私の記憶では1812年くらいでしょうか? その後に創作が落ち込む訳ですが、晩年に再び、異なった次元の音楽を作り出した。その時期の唯一の交響曲がベト9ですが、傑作の森の頃のような第1、2楽章と、ミサ・ソレムニスのような雰囲気の第3楽章を経て、あれがよいかどうかは人によりますが、年末向けの第4楽章になる。やっぱ、年末はベト9であります。
by larghetto7 | 2012-12-31 23:45 | 日記風 | Comments(0)
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