7/29 ミュンヘンの夕立
 という訳で、明日、帰路につく。丸一日こちらにいられるのは今日だけである。本日は出張ゆえ仕事がある訳であるけれど、そこはそれ、フレックスタイムの我々であるから、当然ながらフレキシブルに乗り切る。そうだ、時間が余ったなぁ、ということで、旧市街の中心地(聖母教会があるあたり)を通り抜けて、王宮の先のバイエルン博物館に出かけた。
 日が照って暑かった。飲用水などを2リットルくらい飲んだろうと思う。
 博物館ではこの地方の古い美術品を展示している。見ていると、12世紀辺りから始まって、ルネサンス期、およびフッガー家が出てきた辺りまでが中心だと思えた。当然ながら宗教的な題材の作品が多い。絵画よりは彫像に目をひかれる。
 といいながら、下の写真はその絵画の1つである。サロメである。
 サロメというのは、我々はオスカー・ワイルドの戯曲、そしてリヒャルト・シュトラウスが作曲したオペラとして記憶している。オスカー・ワイルドのサロメは、若い予言者のヨカナーンに恋をし、その首をはねさせて接吻する、という物語である。生首に接吻する場面は、オペラではサロメのモノローグという最後の場面で、この部分の音楽は私は、あらゆる音楽の中で最も好きな箇所の1つである。この場合のサロメは、魔性の女(といっても15歳なのだけれども)というイメージになる。
 ところがこの絵画は違う。なんともまあ、可憐な少女に描いているではないか。生首のヨカナーンにしても、少女が恋するような顔ではない。
 生首を持つ女という題材は、何とかいう有名な画家が描いた、オルフェウスの生首を持つ誰とか、というものがあった。そっちの方がイメージ的にサロメに近い。
 たぶんこの絵を描いたときのサロメ像は、聖書の記述に近く、悪女役の母親にそそのかされて義父のヘロデ王にヨカナーンの首を所望したサロメ、という解釈なのだろう。魔性の女サロメというのは、割と新しく出来上がった観念だったようである。
 今日は私は、早々にホテルに戻った。明日の準備があるし、残った雑用もある。
 ホテルの部屋にいながらしばらくした19時半頃、いつもはまだ明るい空が暗くなり、夕立になった。雷が鳴って稲妻が光る。日本の夏の暑い日と同じだなぁ、と思った。外に出ているやつらはざまあ見ろ、と思う。d0028773_3264257.jpg
by Larghetto7 | 2005-07-30 03:26 | 日記風